千柩堂Chikyudo

みごろみごろをまつこころ

個展をやりたいとおもっている。私のえがいた詩と写真とをあわせたものものを、こじんまりとして、うすぐらく、ほのかにあたたかみのみえる画廊やカッフェなんかにならべて、ぼんやりと飾ってみる。てん、てん、と飾る。漆喰のかべをつたう。ことばや、いろや、おとや、そのほかにもさまざまのなにか私を私たらしめんとしてやまないものたちが、アンティーク調の画鋲でとめられたところから、つたっておちる。そのさまのしずかな騒々しさをおもう。

私は詩をうたう。切々とうたう。屑々とうたう。だれにうたうか。アリスにうたう。ちいさなアリスへとうたっている。あのひちいさなアリスはしんだ。はかなく息たえてしまってにどとここへはもどらなかった。いま、ふとした拍子にちいさなアリスのわらいごえがするときがある。そのようなとき、私はほほえんで筆をとる。万年筆のふたをはずし、きずだらけのノートにしがみつく。しろい膚を埋めねばならない。ちいさなアリスの青ざめた膚を。

あなたは、あなたのちいさなアリスをおぼえているだろうか。私は詩をうたう。アリスにうたう。あなたのちいさなアリスへとうたっている。ソーシャルメディアや同人誌というツールをへていくつかのささやかな呼吸をみつけるうち、私はどんどんよくぶかくなる。そうして個展をやりたいとおもっている。私の詩は脈動する。静脈管をひたはしる。いずれ、あなたの血肉となるために。

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